▼ 歌詞
昭和23年「異国の丘」  ビクター・レコード  
唄:中村耕造・竹山逸郎  作詞:増田幸治  作曲:吉田正


昭和18年に陸軍上等兵として満州にいた吉田正が部隊の士気を上げるため作曲した「大興安嶺突破演習の歌」が原曲です。抑留兵だった増田幸治が作詞し収容所の過酷な労働と劣悪な環境に耐えながら非常に強い望郷の思いが込められています。
シベリアから帰還した復員兵だった中村耕造が昭和23年8月「NHKのど自慢」に出場し「今日も昨日も」と言う題目で歌い合格したことから有名になりました。多くの歌手によって歌い継がれ昭和36年には三浦洸一のレコードが発売されています。
同年9月「異国の丘」と改題されレコードが発売されると、たちまち全国に大流行、大人から子どもまで口ずさみ、のど自慢大会で歌う者が続出しました。
はじめはだれが作った歌か不明でしたが、吉田正が名乗り出て、作詞は増田幸治、作曲は吉田正と判明しました。
後年、増田は当時の様子を初めて「異国の丘」を発表したのは収容所の演芸会だった。合唱していると胸が詰まり、歌いながらみんな泣いた。これ以降、作業の行き帰りや夕方の人員点呼時に、皆が口ずさんだ。お互いをいたわり、励まし合うようになり、自分さえよければといった殺伐とした雰囲気は次第に薄れていった。昭和21年の3月ごろだった」と述べています。
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