▼ 歌詞
昭和20年「リンゴの唄」  コロンビア・レコード  
唄:並木路子  作詞:サトウ・ハチロウ  作曲:万城目正


戦後映画の第1号「そよかぜ」の挿入歌として発表され、日本の戦後のヒット曲第1号となりました。
サトウハチローがこの詞を作ったのは戦時中でしたが、「戦時下に軟弱すぎる」という理由で検閲不許可となり、終戦後に日の目を見ました。
レコーディングに際し、作曲の万城目は並木に明るく歌い、沈んだ国民の心に希望の灯を点したかったのでしょうが、同年3月10日の東京大空襲で母を亡くし、 その前には戦場で父と次兄を亡くしたばかりの並木に明るい声を望むのは酷な注文でしたが何とか吹き込みを終えました。 並木の胸中は知られる由もなく、国民はこの歌に一縷の希望と光を見出し、歌は全国に流れ、空前のヒット曲となりました。
この当時まだリンゴは貴重品で、昭和20年12月に行われたNHKの公開ラジオ番組「希望音楽会」で並木がこの歌を歌いながら客席に降り、篭からリンゴを配ったところ、 会場がリンゴの奪い合いで大騒ぎになったというエピソードもあります。
現在でもこの唄を知らない人は少ないと思います。
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