▼ 歌詞
昭和24年の松竹映画「悲しき口笛」の主題歌  
唄:美空ひばり  作詞:藤浦洸  作曲:万城目正


戦後の異色の歌手です。昭和21年8才の時、NHK「素人のど自慢」に出場し「リンゴの唄」を歌いました。合格を確信していましたが審査員は「うまいが子供らしくない、非教育的だ、真っ赤なドレスもよくない」という理由で不合格としました。美空とNHKとの確執はここから始まったと言われています。この確執は昭和29年、美空がNHK紅白歌合戦に初出場するまで続きました。
今でこそ、色褪せた番組になってしまいましたが当時「NHK紅白歌合戦」への出場は歌手の人気を決定付ける重要なバロメーターでした。島倉千代子がデビュー2年目に出場したのに人気絶頂にあった美空が出場しなかったことに事の複雑が伺われます。
単純に「かわいい」と見る層もいましたが、「子供が大人の恋愛の歌を歌うとは」という批判的立場が支配的でした。それが当時の倫理観でしたがそのような社会通念は徐々に消失して今では寧ろ「やり過ぎ」の感もあります。
「悲しき口笛」は美空ひばりの映画主題歌として有名です。映画もさることながら主題歌が大変ヒットしました。オリジナル録音です。
映像の随所に未だ戦争の傷跡をかいま見ることが出来ます。最近では近代的町並みを背景に、この曲を歌う歌手を見受けますが、敗戦の傷跡を背景にして歌うのに似合う歌です。
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